今年で九年目のレギュラーコンサートだったんですね。私は尺八の竹の音色が好きなものですから、ルンルンで聴かせてもらったしだいです。
プログラムの演目全14のうち、5番から入場し、それぞれの奏者のテクニックにうっとりしたわけです。馴染みの曲もありますが、尺八演奏だけのために創作した曲など、じっくり味わせてもらいました。音楽という、耳で感じられる喜びにしたったわけです。ライブですから、放送やCDにない技をじかに触れさせていただいたわけです。その圧巻は、宮城道雄さんの代表作「春の海」でしたね。もちろんお琴の奏者との二重合奏でしたが、ある意味で二人だけの戦いだったのかもしれません。曲が有名であればあるほど、僅かなミスも許されません。瀬戸内の穏やかな海に数羽の海鳥。そこに船を通して魚を追う漁師。そんなきらめいた豊饒の海を、宮城先生は、心眼で旋律を我が胸中に刻んでいったのでしょうね。そんな季節と海鳥のはばたきを、二人の名手は、互いに挑みながら完璧に演じてくれました。いまこうしてキーボードを叩きながらも、あの音色が鮮明に蘇ります。
このブログをお読みのお方で、狛江市にお住まいの貴方、あるいはその近在にお住まいの諸君、定期的にバラエティーに富んだコンサートが当ホールで開かれています。機会があれば是非足をお運びください。もちろん無料です。